米5月雇用統計が予想を大幅上回り、ハードウェア株に売り殺到 — ナスダック4%超下落
「Good news is bad news」が、これほど明快に効いた日も珍しい。米労働省が6月5日に発表した5月の非農業部門雇用者数は+172,000。事前予想の80,000〜85,000を倍以上上回り、4月分も+179,000へ上方修正された。失業率は4.3%で横ばい、平均時給は前年比+3.4%。数字の一つひとつは、健全な労働市場の輪郭を描いている。だが市場が見ていたのは別の景色だった。年内利下げ期待が一夜にして剥落し、10年債利回りは4.5%、30年債は5%を突破。借入コストで設備投資を回す AI ハードウェア銘柄にとって、これは無視できない地殻変動と受け止められた可能性がある。ナスダック総合は終値で-4.18%、2025年4月以来の最悪の1日となった。
二重ショックの構造
今回の急落を分解すると、性質の異なる二つのショックが同じ48時間に重なった構図が見えてくる。
一つ目は需要側のシグナル。ブロードコムは6月4日引け後の決算で売上を市場予想に届かせられず、AI関連半導体の決算モメンタムに最初の翳りを示した。同社はAI向けカスタムASICの主要サプライヤーであり、ハイパースケーラーの設備投資動向を映す鏡のような存在として見られてきた。その鏡が曇った瞬間、市場は「AI需要は永続的に右肩上がり」という暗黙の前提を点検し直す必要に迫られた可能性がある。
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