今回SEALSQが買い取ったのは、性質の異なる二社だ。

ひとつ目のWeCan Groupは、スイス系プライベートバンク向けのコンプライアンス技術企業。SEALSQはすでに28%を保有していたが、今回過半数取得へ踏み込み、さらにCHF 500万を追加投入する。狙いは次世代コンプライアンスツールとポスト量子セキュリティ基盤の開発加速にあると見られる。戦略的に解釈すると、規制が厳しくIT予算が動きやすい金融セクターを、PQC(ポスト量子暗号)の初期需要レイヤーとして押さえに行った布石と読める。

ふたつ目のMiraex SAは、EPFL Innovation Park発の光フォトニクス量子インターコネクト企業。今回のクロージングで完全子会社化が完了し、Quantum Sovereign Vertical Stackの量子インターコネクト層が埋まる。さらに「Quantum Orbital Space Cloud」と呼ばれる宇宙級量子通信プログラムへの接続性も、これで技術的に担保された格好になる。