償還加算で黒字化し、買収で次の柱を得た透析感染予防株 ― 加算終了後の谷の深さが問われる局面へ
透析患者のカテーテル感染を防ぐ1製品で、売上ゼロの赤字企業から営業利益率40%台の高収益企業へわずか2年で転換した米国の中型製薬株があります。その成長を支えたのは、米公的医療保険が新薬に時限的に上乗せする償還加算でした。加算は2026年7月に終了し、会社自身のガイダンスからは下期の利益がほぼ消える計算が読み取れます。一方で同社は稼いだ資金で抗感染症ポートフォリオを買収し、第3相試験で結果を出した抗真菌薬の適応拡大を控えています。制度に押し上げられた収益の谷を、買収資産とパイプラインでどこまで埋められるのかが焦点になりつつあると考えられます。
決算の振り返り
3年間の数字を並べると、この会社の変化は3つの段階に分けて整理できそうです。
1つ目は2023年の承認前夜の段階で、売上はゼロ、純損失は4,634万ドルでした。2023年11月にDefenCathが承認され、2024年に院内と外来透析で上市しています。
2つ目は2024年後半から2025年にかけての加算期間の段階です。2024年7月にTDAPAの適用が始まり、同年第4四半期に初の黒字化、2025年には大手透析事業者の本格採用が加わって売上3億1,171万ドル、営業利益1億5,014万ドルに達しました。粗利益率は約93%で、米国医薬品業界平均の約72%を大きく上回る水準でした。
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