評価を支えている前提

現在の評価が何に依拠しているかを分解すると、複数の前提が積み重なった構造が見える。

最も基層にあるのが、誤り耐性を備えた量子計算機が実現するという前提になる。前稿で扱ったとおり、物理的な量子ビットは誤りに敏感であり、意味のある計算には誤り訂正を施した論理量子ビットが必要になる。この技術が確立しなければ、商業的な応用そのものが成立しない。

次の層に、その実現時期がある。各社の計画では2027年から2032年にかけて段階が並ぶ。ある事業者は2027年に次の系統、2029年に誤り耐性を備えた系統を予定し、別の事業者は2030年に論理量子ビット10個、2032年に100個超という日程を示している。実現時期が後ろへずれれば、将来の収益を現在価値に割り引く際の年数が延び、評価は下がる方向に働く。