QTWGレポートとCEGロードマップの役割分担

2026年に公表された2つのG7文書は、それぞれ異なる射程を持つ。

CEGロードマップは2026年1月13日、米財務省とイングランド銀行の共同議長のもとで公表され、金融セクターのPQC移行を協調的に進めるための考慮事項をまとめた文書となる。CEGは2015年に設立された多年度ワーキンググループで、G7各国およびEUの金融当局代表で構成され、G7財務大臣・中央銀行総裁会議に対してサイバーセキュリティ事項を助言する立場にある。

QTWGレポートは2026年5月11日、フランス銀行とカナダ銀行の共同議長のもとで公表された20ページの文書で、暗号セキュリティに加えて金融における量子コンピューティングの応用と量子センシングまで対象範囲を広げている。CEGが移行の実行フェーズを扱うのに対し、QTWGは金融システム全体への量子技術のインパクトを分析的枠組みで整理する構造となっている。