発表内容の骨子

開示では、AIデータセンター向けのラック内蓄電の参照設計QS PowerBlockが10月8日のOpen Compute Projectの会合で公開されたことに加え、QSE-5セルを用いた同製品が、従来のリチウムイオンを前提とするOCP参照仕様と比べ、試験において4倍の電力密度と5倍の稼働時間を示したとされる。熱安定性は300度を大きく超える水準とされ、従来のリチウムイオンのおよそ180度と対比されている。液系の可燃性電解質を持たないセラミック系固体電解質という材料特性が、安全性の裏付けとして示された格好とみられる。

加えて、防衛・航空・通信の顧客にサンプルを出荷し、第3四半期に航空宇宙・防衛部門で初めての顧客請求を計上したとされる。自動車領域ではホンダとの提携で初回請求を計上し、フォルクスワーゲンのPowerCoとの開発が続き、新たに名称非公表の大手モビリティ企業との契約も加わったと説明されている。第3四半期の顧客請求は9.8百万ドル、GAAPベースの営業費用は92.4百万ドル、純損失は84.5百万ドル、調整後EBITDA損失は60.7百万ドル、四半期末の流動性は819.8百万ドル規模とされる。損失の計上が続く一方で、材料と製造の裏付けを伴う商用化の初期数値が複数の部門で並び始めた点が、今回の開示の特徴と考えられ、技術実証の段階から収益化の初期段階への移行を示唆する材料とみられる。複数の自動車会社と防衛・航空の双方で初期の請求が並んだ点は、単一の用途に依存しない需要の広がりを示唆する材料になりうると考えられる。