時間の格差

最も基本的で、最も避けがたいのが時差による格差である。米国東部時間と日本時間には夏時間で13時間、冬時間で14時間の開きがあり、この差が情報に触れる時刻を構造的にずらす。

米国企業の決算発表は、市場の引け後に行われる慣行が定着している。東部時間の午後4時過ぎという時刻は、日本時間では早朝5時から6時頃にあたる。決算説明会がその後1時間ほど続くため、経営陣の説明と質疑応答が行われる時間帯は、日本では就寝中か起床直後に重なる。現地の投資家が説明会を聴きながら翌日の判断を組み立てているあいだ、日本からは同じ作業ができない構図が生じる。

適時開示についても同様の非対称が働く。重要な契約の締結や経営陣の異動は8-Kとして提出されるが、その提出時刻は米国の営業時間に沿う。日本の日中に相当する時間帯は米国の深夜にあたり、開示が集中する時間帯とは重ならない。日本で情報に触れるのは、多くの場合、既に価格が反応した後になる。