SEALSQが耐量子チップ2種とASIC設計コンセプトを公開へ、ポストクォンタム実装が設計局面に
公開予定製品の骨子
今回の発表で前面に置かれたのは2製品とされる。まずVaultIC409は、Common CriteriaのEAL5+認証を取得手続き中とされるQS7001プラットフォーム上に構築されたセキュアエレメントで、ハードウェア・ルート・オブ・トラストと、古典暗号およびポストクォンタム暗号(ML-KEM、ML-DSA)の処理支援を備えると説明されている。鍵や証明書のサイズが大きくなるPQCに対応するためSPIインターフェースを採用し、スマートメーターや産業用ゲートウェイ、接続機器を標的市場に据えるとされる。既存のVaultIC408と同じ用途層を狙う後継という位置づけで、会場ではTLS 1.3のデモが予定され、エンジニアリングサンプルの提供は2027年第2四半期が計画されている。次にQVault TPMは、Trusted Computing Groupのポストクォンタム向けコマンド群をシリコンに実装し、ML-DSAやML-KEMの鍵をRSAやECCと並んでチップ上で生成・保持する設計とされる。認証経路はFIPS 140-3とTCGを対象とし、wolfSSLがwolfTPMで対応を加えたと説明されている。暗号ライブラリ側の対応が進む点は、設計者が採用しやすくなる環境整備の一環と読める。加えてIC’AlpsのQASICは、耐量子セキュリティを組み込んだカスタムチップの設計提案で、カタログ品ではなく個別設計を通じて信頼基盤を埋め込む方向を示すものと位置づけられている。会場ではNXPやInfineonとのラウンドテーブルや、ポストクォンタム移行をめぐる講演も予定されている。VaultIC408からVaultIC409への更新は、同じ用途層で耐量子対応を段階的に織り込む製品戦略を示すものと読め、既存の採用先の置き換え需要を取り込む狙いがあるとみられる。
背景とポストクォンタム移行の文脈
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