SOFI、2028年までという時間制限──銀行業界が今のうちに動いている理由
2028年7月18日に何が起きる制度設計か
GENIUS法の骨格は、発行体を許可制に囲い込むことにある。許可発行体(PPSI)となるには連邦または州の規制下にある主体である必要があり、流通するトークンは米ドルまたは短期国債で1対1の裏付けを持ち、準備資産の構成を月次で開示する義務を負う。銀行秘密法上の義務も全面的に適用され、発行体はマネーロンダリング対策の文脈で金融機関と同等に扱われることになる。米国政府による裏付けがあるかのような表示は禁じられ、他方で決済用ステーブルコインは証券にも商品にも当たらないと明示された。この分類の明確化は、これまで法的性格の曖昧さを理由に距離を置いてきた銀行やブローカーのコンプライアンス部門にとって、参入判断の障壁を下げる効果を持つとみられる。
時間軸は3層に分かれている。まず、法律そのものの効力発生は、最終規則の公表から120日後か2027年1月18日のいずれか早い方とされている。次に、既存トークンを扱う事業者向けの安全港が2028年7月18日まで置かれ、その日を境に、許可を得ていない発行体のトークンを米国の利用者に提供する行為が制限される。つまり2027年は発行体側の入口が締まる時期、2028年は流通側の出口が締まる時期として設計されているとみられる。市場規模との対比で見ると、2026年半ば時点で追跡されているステーブルコインの供給量はおよそ3,095億ドル、うちUSDTとUSDCの2銘柄で約2,570億ドル、比率にして8割強を占める構造になっている。この集中度の高さが、期限が近づくほど再編圧力として効いてくる可能性がある。
規則が固まらないまま期日だけが確定した経緯
規則制定の作業自体は動いていた。FDICは2025年12月19日に州法非加盟銀行などの申請手続きに関する規則案を出し、これがGENIUS法下で最初の提案となった。OCCは2026年2月25日に350ページを超える包括的な規則案を公表し、許可発行体の要件、倒産隔離された準備資産、償還と流動性の水準、間接的な利回り提供に対する反証可能な推定、外国発行体の監督枠組みまでを一括して扱った。NCUAも2026年2月に信用組合向けの手続きを提案し、財務省は2025年9月の事前通知で安全港の設計や外国制度の同等性評価について意見を募っている。提案は揃った一方で、OCCのAML関連の意見受付が7月24日、FDICの枠組みが8月4日、5当局共同の顧客確認規則が8月21日と、主要な締切が最終化期限の後ろに残されていた。
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