発表内容の骨子

今回検証を取得したのはVaultIC408のバージョン1.2.4で、FIPS 140-3のLevel 3に該当する。FIPS 140-3は暗号モジュールの安全性を評価する米国の標準で、Level 3は物理的な改竄検知や不正侵入への対応など、Level 2より厳しい要件を課す水準に位置づけられる。物理的な攻撃で鍵を抜き取ろうとする試みに対し、検知して鍵を消去するといった防御が求められる水準であり、政府や重要インフラの調達で参照されやすい区分とされる。SEALSQは、この検証取得により政府その他の規制市場での拡大を見込むとしている。ただし、今回の検証は承認された構成のVaultIC408を対象とするもので、他の製品やポスト量子アルゴリズムを網羅するものではない点も示されている。この限定は、認証がただちに全製品の信頼性を裏づけるものではないことを意味し、対象範囲を冷静に読む必要があるとみられる。あわせて同社は、ポスト量子対応のセキュア素子QS7001について日程を更新し、2026年10月にV1のハードウェア評価報告、2027年1月にV2の完全なポスト量子ハードウェア評価報告を目標とし、2027年にはCommon CriteriaのEAL5+認証を進める計画を示した。いずれも認証当局の審査を前提とする段階にとどまる。

背景と文脈