何があったのか

2026年9月11日に公表された上期決算では、6月末までの半期売上高が11.2百万ドルで前年同期の4.8百万ドルから131%増加したとされる。粗利率は48.5%で粗利は5.4百万ドル、営業損失は32.2百万ドルとなり、前年同期の21.2百万ドルから拡大したとみられる。純損失は27.7百万ドル、1株当たりの基本損失は0.12ドルとされる。四半期単位では、4月から6月期の売上が5.58百万ドルで前年同期比131.5%増、GAAPベースの1株損失は0.07ドルと伝えられている。

財務面では、6月末時点の無制限の現金および現金同等物が約479.8百万ドル、短期投資を含めると約495百万ドルとされ、当面の開発と認証、顧客の適格性確認を賄う余力を備えているとみられる。会社側は2026年通期の売上見通しを27百万ドルから36百万ドルとし、監査済みの2025年通期売上18.3百万ドルに対して50%から100%の成長を想定しているとされる。この見通しは、子会社IC'ALPSの通年連結と、耐量子製品であるQS7001およびQVault TPMの初期商用化を前提に置いていると説明されているようである。損失が売上を大きく上回る構図が続いており、事業は研究開発と市場立ち上げの局面にとどまっていると整理できそうである。

なぜ起きたのか

損失拡大の主因は、売上の伸び以上に営業費用が先行して積み上がっている点にあるとみられる。上期の粗利5.4百万ドルに対して営業損失が32.2百万ドルに達したことから逆算すると、半期の営業費用は37百万ドル台に相当する計算になるとみられる。年換算では75百万ドル前後の費用水準となり、これは同期間の売上の6倍を超える規模に当たると考えられる。研究開発、認証取得、生産体制の整備、買収した事業の統合費用が同時に発生している段階では、費用が売上に先行するのは事業構造上避けにくいといえそうである。