なぜ株式数の行なのか

この1行を優先する理由は、それが投資の成果に直結しながら、他の経路では伝わりにくいためとみられる。

売上、利益、利益率といった指標は、報道や要約を通じて広く伝えられる。前稿で扱ったように、日本語で流通する情報は報道の翻訳が中心となり、その報道自体が主要な指標に焦点を当てる。株式数の推移が見出しになることはほとんどない。結果として、この数字は一次情報に当たらなければ把握しにくい位置にある。

にもかかわらず、この数字は投資の成果を直接規定する。企業の価値が2倍になっても、株式数が2倍になっていれば、1株の価値は変わらない。逆に、企業の価値が横ばいでも株式数が減っていれば、1株の価値は上昇する。株価という数字は、企業の価値と株式数の両方を織り込んだ結果であり、株価だけを追っていると、どちらの要因で動いたのかが分からない。