シドニー大学、120量子ビット超伝導プロセッサで距離5表面符号を実証 ― "欠陥部品を除外する"現実的QEC戦略で論理誤り率を劇的低減、量産量子コンピュータへの道
論文の核心 ― 何を実装したのか
論文の中核となる実験は、120量子ビットの正方格子配列を持つ超伝導量子プロセッサ上で、距離5(distance-5)の表面符号を実装したものとなる。研究チームは、この物理量子ビット配列を用いて論理量子ビットのメモリ実験を行い、2つの異なるQEC運用戦略を比較した。
第1の戦略は"コード適応(code adaptation)戦略"となる。性能が不足している量子ビットやカプラーを特定し、これらを回避するように表面符号の構造そのものを再設計する方法である。欠陥部品は"存在しないもの"として扱われ、健全な部品だけで論理量子ビットを構成する構造となる。
第2の戦略は"デコーダ適応(decoder adaptation)戦略"となる。欠陥部品を物理的には配列内に残したまま、デコーダ(誤り検出結果を解釈する古典アルゴリズム)に"どの部品が欠陥か"という情報を事前に伝え、後処理で欠陥の影響を補正する方法である。
比較実験の結果、第1の"コード適応戦略"(欠陥部品除外)を採用した場合、論理誤り確率が劇的に低減されることが実証された。研究チームは論文の中で"a dramatic reduction in the probability of a logical error"と表現している。
なぜ"欠陥コンポーネント"が問題なのか ― 製造工程の現実
この論文の意義を理解するには、超伝導量子コンピュータの製造工程が抱える構造的課題を踏まえる必要がある。
超伝導量子ビットは、ジョセフソン接合(Josephson junction)を核とする微細な超伝導回路として、ナノスケールで製造される。この製造工程は極めて高度で、原子レベルの精度が要求される。しかし現実の製造プロセスでは、必ずばらつきが発生する。ジョセフソン接合の面積、酸化膜の厚さ、電極の形状といった微細パラメータが完全に均一になることはない。
このばらつきの結果、量子ビットには"個体差"が発生する。同じ設計で同じ工程を経ても、量子ビットごとに動作周波数、コヒーレンス時間、ゲート忠実度が異なる。ある個体は仕様通りに動作するが、別の個体は性能が不足する。カプラー(量子ビット間の相互作用を制御する回路)についても同様のばらつきが発生する。
量子ビットの数が増えるほど、この問題は指数関数的に深刻化する。10量子ビットなら全てが健全な確率が高いが、120量子ビット、1000量子ビット、10000量子ビットとスケールアップするにつれ、少なくとも1つは欠陥を持つ確率が実質的に100%となる構造にある。
従来のQEC研究の多くは"全ての量子ビットが仕様通りに動作する"という理想条件を前提としてきた。しかし実用的な量子コンピュータでは、この前提は成立しない。欠陥部品との共存が必須となる。
論文の実務的な意義 ― 量産量子コンピュータへの布石
Drouet氏らの研究は、この現実的な課題に真正面から取り組んだ内容となる。研究チームは論文の冒頭で、"固体素子ベースの量子計算アーキテクチャは、多数の結合量子ビットの配列製造を必要とする。この工程が性能にばらつきのある量子ビットとカプラーを生み出すことは不可避で、一部の部品は不完全な製造により性能不足となる。QECは高性能な部品を要求するため、これらの欠陥に対処しなければならない"と明確に述べている。
この問題認識に対する2つのアプローチ ― コード適応とデコーダ適応 ― を、実際の120量子ビットプロセッサ上で比較実装した点が、本研究の実務的な価値となる。シミュレーションではなく実機実験で、"欠陥除外"戦略の有効性を数値で示したことになる。
距離5表面符号とは何か ― QECの基本構造
論文が採用した"距離5表面符号(distance-5 surface code)"の意味を、量子コンピュータに詳しくない読者向けに解説する。
表面符号(surface code)は、量子誤り訂正符号の一種で、複数の物理量子ビットを2次元格子状に配置して1つの"論理量子ビット"を構成する方式となる。物理量子ビットに発生する誤りを、周辺の量子ビットとの相関を測定することで検出・訂正する仕組みである。
"距離(distance、d)"は誤り訂正能力を表す数値で、距離dの符号は最大で(d-1)/2個の物理誤りを訂正できる。距離3(d=3)なら1個、距離5(d=5)なら2個、距離7(d=7)なら3個の物理誤りを訂正できる構造となる。距離が大きいほど誤り訂正能力が高いが、必要な物理量子ビット数も増加する。距離5表面符号1個の論理量子ビットを構成するには、標準的には25個以上の物理量子ビットが必要となる。
120量子ビットのプロセッサ上で距離5表面符号を実装したということは、この符号の実験に十分な物理量子ビットを配列し、実際にメモリ実験(論理量子ビットに情報を保存し、時間経過後に読み出す実験)を行ったことを意味する。距離5は現時点の最先端量子プロセッサで実現できる実用領域の1つとなる。
Google Quantum AI 2025年成果との位置付け
2025年、Google Quantum AIはWillowチップを用いた研究成果"Quantum error correction below the surface code threshold"をNature誌に発表し、"サーフェスコード閾値以下"での量子誤り訂正を実証している。距離3、5、7の表面符号を段階的にスケールアップし、距離が大きくなるほど論理誤り率が指数関数的に減少することを示した内容だった。
Drouet氏らの2026年7月論文は、この延長線上にある研究として位置付けられる。Google Quantum AIの研究が"理想的な条件で距離を大きくする"方向に進んだのに対し、Drouet氏らの研究は"現実的な欠陥がある条件で距離5をどう運用するか"という補完的な方向に進んでいる構造となる。
両者の研究を統合すると、量子誤り訂正技術は"理想条件でのスケール実証(Google)"と"現実条件での運用戦略(Drouet ら)"の両輪で発展している段階にあるといえる。
関連研究との位置付け ― 欠陥対応QECの研究系譜
欠陥コンポーネントに対応するQECの研究系譜は、arXivに複数の関連論文が並存している状況にある。
2023年、Strikis氏、Benjamin氏、Brown氏の"Quantum Computing is Scalable on a Planar Array of Qubits with Fabrication Defects"(Physical Review Applied)が、平面配列上での製造欠陥の存在下で量子計算がスケール可能であることを理論的に示した。Aasen氏らの"Fault-Tolerant Hastings-Haah Codes in the Presence of Dead Qubits"も同時期に発表され、"死んだ量子ビット(dead qubit)"の存在下での誤り訂正符号の理論的分析を提示した。
2025年、Higgott氏、Anker氏、McEwen氏、Debroy氏の"Handling fabrication defects in hex-grid surface codes"(arXiv:2508.08116)がヘキサゴナル格子表面符号での製造欠陥対処法を提案。同年、Debroy氏、McEwen氏、Gidney氏、Shutty氏、Zalcman氏らの"LUCI in the Surface Code with Dropouts"(Quantum誌1936)が、"LUCI(Low Uniform Code Insertion)"手法を提案。Wolanski氏の"Automated Compilation Including Dropouts: Tolerating Defective Components in Stabiliser Codes"(arXiv:2512.01943)もこの系譜に連なる。
2026年、Kim氏、Gicev氏、Sevior氏、Usman氏らの"LUCI on IBM Hardware: Error Suppression with Almost Half Syndrome Density"(arXiv:2607.01887)がIBMハードウェア上でのLUCI実装を報告した。同時期にAnker氏、Debroy氏の"Optimized Measurement Schedules for the Surface Code with Dropout"(arXiv:2512.10871)も公開されている。
Drouet氏らの2026年7月論文は、これら理論・シミュレーション研究の流れを"実機での比較実装"へと発展させた内容として位置付けられる。理論的可能性の議論から、実装ベースの性能検証へと研究の段階が進んだ意味を持つ。
論文の著者構成と機関
第一著者Julien M. Drouet氏は、シドニー大学物理学部とスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の計算機・通信科学部の兼任研究者となる。共著者にはXanda C. Kolesnikow氏、Campbell K. McLauchlan氏、Georgia M. Nixon氏、Dominic J. Williamson氏(いずれもシドニー大学)、Seok-Hyung Lee氏(韓国成均館大学量子情報工学部)、責任著者のStephen D. Bartlett氏(シドニー大学)、Benjamin J. Brown氏(所属明記なし)が名を連ねる。
シドニー大学は、Michael Biercuk氏率いるQ-CTRLとの提携、Stephen Bartlett氏率いる量子情報理論グループ、Q-CTRLの共同創業者であるMichael Biercuk氏の存在を含め、オーストラリアの量子コンピューティング研究の中心地の1つとなっている。オーストラリア政府も量子技術戦略を国家政策として推進しており、Silicon Quantum Computing(SQC、UNSW発)、Q-CTRLといった量子スタートアップが並行して発展している構造にある。
韓国成均館大学の参加は、韓国政府の量子技術戦略との連携を示すものとみられる。韓国は2025〜2030年に3兆ウォン規模の量子技術予算配分を計画しており、Samsung、SK Telecom、韓国原子力研究院、KAIST、成均館大学などが連携する量子技術エコシステムを構築している。
産業側への構造的な意味 ― "スケール化のブレイクポイント"に近づく
Drouet氏らの研究成果が、量子コンピュータ産業に与える構造的な意味は複数の層で読み解ける。
第1の意味は、"実用的な量子コンピュータの製造歩留まり(yield)"に関する現実的な議論への貢献である。従来のQEC研究は理想条件を前提としてきたため、"実際に工場で量産できる量子コンピュータのコスト構造"を議論する材料が乏しかった。欠陥を除外する戦略が有効なら、100%完璧な部品を要求せず、"ある程度の欠陥率でも運用可能"という現実的なスペックで製造できる構造となる。これは半導体産業の歩留まり管理と類似した経済的意味を持つ。
第2の意味は、"量子ビット数のスケール化戦略"への影響である。1000量子ビット、10000量子ビットとスケールアップする際、欠陥率がゼロの部品を製造することは事実上不可能である。欠陥対応戦略が確立されれば、スケール化のペースが加速する可能性がある。
第3の意味は、"量子コンピュータのクラウドサービス化"への影響である。IBM Quantum、Google Quantum AI、AWS Braket、Microsoft Azure Quantumといった量子クラウドサービスでは、実機の量子プロセッサをユーザーが遠隔から使用する構造となる。プロセッサ上の欠陥部品をリアルタイムで検出・除外し、ユーザーには最大限の論理量子ビット性能を提供する運用ノウハウは、サービス品質の差別化要素となる。
第4の意味は、"量子ハードウェア企業とソフトウェア企業の分業構造"への影響である。欠陥対応の戦略が確立されれば、"ハードウェア企業が完璧な部品を作る"という無理を追求するのではなく、"ハードウェア企業は経済的に合理的なコストで部品を作り、ソフトウェア企業(QECコンパイラ、デコーダ、制御スタック)が欠陥に対応する"という分業構造が成立する。この分業は半導体産業のファウンドリ+ファブレス構造の量子コンピュータ版といえる。
耐量子暗号(PQC)政策との交差
QEC技術の実用化は、耐量子暗号(PQC)政策の実装スケジュールにも影響を与える構造となる。米OMB M-26-15、大統領令EO 14412、フランスANSSIの2027年PQC移行目標といった規制枠組みは、"実用的な量子コンピュータが暗号を破る前にPQCへ移行する"タイムラインで構築されている。
Shorのアルゴリズム(RSA、楕円曲線暗号を破るアルゴリズム)を実務規模で実行するには、数千〜数百万の論理量子ビットが必要と推定されている。論理量子ビット1個を構成するには数千〜数万の物理量子ビットが必要で、物理量子ビットの製造歩留まりが実用化スケジュールを左右する構造にある。
Drouet氏らの研究のように、欠陥対応戦略が確立されれば、物理量子ビットの製造要件が緩和され、実用化時期が早まる可能性がある。政府機関・金融機関・重要インフラ運営者にとって、PQC移行の緊急性は改めて確認される構造となる。
関連する量子コンピュータ企業・研究機関
QEC研究に関わる、または関連技術で先行している上場企業・研究機関は以下の通りとなる。
上場企業(米国株):IBM(超伝導量子コンピュータの誤り訂正で先行、Condor世代、Kookaburra計画)、GOOGL(Alphabet、Google Quantum AIのWillowチップで距離7表面符号を実装済み)、IONQ(IonQ、イオントラップ方式で誤り訂正実装を進行中)、RGTI(Rigetti Computing、超伝導方式、Ankaaシリーズ)、QBTS(D-Wave Quantum、アニーリング方式主体、7月27日からNASDAQ移管予定)、QUBT(Quantum Computing Inc.、フォトニクス方式)、LAES(SEALSQ、耐量子暗号)、NVDA(NVIDIA、CUDA-Qによる量子古典ハイブリッド計算基盤、複数の量子コンピュータ企業と提携)。
大手非上場・関連:Quantinuum(Honeywell系、イオントラップで誤り訂正実証多数)、PsiQuantum(フォトニクス方式、大規模スケーリング狙い)、Atom Computing(中性原子方式、1200量子ビットを既に達成)、Q-CTRL(豪州、量子制御・誤り訂正ソフトウェア)。
日本関連:9432(NTT、光量子コンピュータ・光ネットワーク量子計算)、6501(日立製作所、超伝導量子ビット研究)、6502(東芝、量子鍵配送・量子暗号通信)、6971(京セラ、光量子デバイス)、4062(イビデン、量子コンピュータ実装向けパッケージング)。
主要研究機関:シドニー大学、EPFL、成均館大学、UNSW(オーストラリア)、Google Quantum AI、IBM Quantum、東京大学、東北大学、京都大学、大阪大学、理化学研究所(RIKEN)、産業技術総合研究所(AIST)、韓国KAIST、韓国KIST。
技術的な詳細 ― コード適応 vs デコーダ適応
論文が比較した2つの戦略を、より技術的に深く見る。
コード適応戦略(欠陥除外)の技術的中身は次の通りとなる。まず、キャリブレーション段階で全ての量子ビット・カプラーの性能を測定する。ゲート忠実度、コヒーレンス時間、読み出し誤り率などの指標を各部品ごとに評価する。次に、閾値以下の部品を"欠陥"として識別する。表面符号の格子構造を、欠陥部品を除外するように再構成する ― 例えば、欠陥を中心とする"穴(hole)"を作り、その周辺で残りの部品を用いて論理量子ビットを構成する。最後に、この修正された符号でメモリ実験・論理演算を実行する。
デコーダ適応戦略の技術的中身は、欠陥部品を物理的には配列内に残したまま、デコーダに欠陥情報を伝える方法となる。デコーダは、量子ビット間の相関測定(シンドローム測定)の結果を解釈して、どの物理量子ビットにどのような誤りが発生したかを推定する古典アルゴリズムである。欠陥情報をデコーダに事前に与えることで、"この量子ビットからのシンドローム測定結果は信頼性が低い"という重み付けを行い、後処理で欠陥の影響を補正する構造となる。
Drouet氏らの実験結果は、コード適応戦略の方がデコーダ適応戦略よりも論理誤り率の低減効果が大きいことを示している。この結果の含意は、"欠陥部品は使わない方が良い"という直感的な結論を実験的に裏付けたことになる。
論文の技術的な限界と今後の課題
論文には言及されている限界と、今後の研究課題も存在する。
第1の限界は、"距離5"というスケールにある。実用的な量子コンピュータには、距離7、9、11、あるいはそれ以上の符号が必要になる可能性が高い。距離が大きくなるほど、欠陥部品の許容範囲・除外戦略の複雑性が増加する構造となる。
第2の限界は、"メモリ実験"に留まっている点にある。論理量子ビットに情報を保存・保持する能力の実証であり、論理ゲート(論理CNOT、論理Hadamard、論理位相ゲートなど)を欠陥部品配列で実行する研究は次のステップとなる。関連する研究として、arXiv:2607.01473(2026年7月1日公開、107量子ビットプロセッサでの表面符号論理演算)が同時期に発表されており、この方向の研究も並行して進展している。
第3の限界は、"時間的欠陥"への対応が未検討である点にある。実験開始時点では健全だった量子ビットが、時間経過とともに性能低下する現象への対応(動的なコード再構成、リアルタイムのキャリブレーション更新)は今後の研究課題となる。Google Quantum AI 2026年7月8日Nature論文の"強化学習で連続自己較正を実現"という方向性は、この時間的欠陥対応と統合する可能性がある。
第4の限界は、"欠陥率が高い場合"の性能限界である。少数の欠陥部品を除外する戦略は有効だが、欠陥率が高すぎる(例:20%以上)場合、有効な論理量子ビットを構成できなくなる。製造品質の閾値がどこにあるかは、経済性を左右する重要な要因となる。
量子コンピュータ産業の"第2次拡張期"の特徴
Drouet氏らの成果は、量子コンピュータ産業が"研究段階から実用段階へ"移行する構造変化の一環として位置付けられる。この時期は"第2次拡張期"と呼ばれる段階に相当し、次の特徴を持つ。
第1に、"理論的可能性"の議論から"実装ベースの性能検証"への移行が本格化している。距離5表面符号の実機実装、120量子ビット配列での欠陥対応戦略比較は、この移行の典型例といえる。
第2に、"複数のハードウェア方式が並列で発展"する構造が確立されつつある。超伝導方式(Google Willow、IBM Condor)、イオントラップ方式(IonQ、Quantinuum)、中性原子方式(Atom Computing、QuEra)、フォトニクス方式(PsiQuantum、Xanadu)、そしてマグノン方式(ウィーン大学の2026年5月Science Advances論文)が並存する。
第3に、"ハードウェア×ソフトウェア"の統合が進んでいる。Google Quantum AIの強化学習を用いた量子誤り訂正制御(2026年7月8日Nature論文)、シドニー大学の欠陥対応QEC(本論文)といった研究は、ハードウェア単独ではなく制御ソフトウェア・アルゴリズムとの統合設計が量子コンピュータ実用化の鍵であることを示している。
第4に、"産業と学術の連携強化"が進んでいる。IBM Quantum、Google Quantum AI、Microsoft Azure Quantumといった大手企業の研究部門が、大学・研究機関と共著論文を頻繁に発表する構造となっている。シドニー大学、EPFL、成均館大学の共同研究は、この国際協力の一例といえる。
結び ― "量産可能な量子コンピュータ"への道
Drouet氏らの成果は、単発の技術的マイルストーンではなく、"量産可能な量子コンピュータ"への長期的な道筋の中で重要な布石として位置付けられる。理想条件での実験成果は、実用化に直接繋がらない ― 実際の製造工程で発生する欠陥、ばらつき、経年劣化といった現実に対応できる技術体系が必要となる。
論文の結論部分では、欠陥部品除外戦略の有効性が示されたことを受け、今後の研究方向として、より大規模な符号(距離7、9)への拡張、動的な欠陥検出・対応、論理ゲート実装との統合などが議論される可能性が高い。
量子コンピュータ産業の"次の5年"は、超伝導方式・イオントラップ方式・中性原子方式・フォトニクス方式・マグノン方式が並列で発展しつつ、それぞれで欠陥対応・スケーラビリティ・論理演算実装の技術体系が確立される時期となる。Drouet氏らの本論文は、超伝導方式におけるこの発展の重要な一里塚として、量子コンピュータの研究史に記録される内容といえる。
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