中国電池依存という日本の急所を、80年企業と組んで突く

ドローンの心臓部は電池である。しかし日本のドローン産業は、その心臓部を中国製・台湾製に依存してきた。有事の際にサプライチェーンが遮断されれば、ドローン運用そのものが止まる。防衛省・自衛隊がドローン戦力の本格整備を急ぐ中、この構造的な急所は日本の安全保障上の最大の弱点の1つだった。

テラドローンが選んだ道は、賢い。セル(電池の最小単位)そのものは製造せず、パック製造に絞る。セル製造は数千億円規模の投資と数年の技術蓄積が必要な巨大装置産業で、パナソニックやCATL、LGエネルギーソリューションといった大手が支配する領域である。テラドローンが単独で参入しても勝ち目はない。

代わりに独占契約した業務提携先が興味深い。社名は非公表だが、設立80年以上の電池パック企業で、日本の大手家電メーカー向けに累計約50万パックを供給した実績を持つとされる。設立80年以上ということは1946年以前創業で、日本の電池パック産業の草分けの1つとみられる。この老舗の量産設備と品質管理ノウハウを活用し、テラドローンは機体側の要件に応じた仕様設計と組み立て・検査・品質保証を担う。設計から量産までを国内で完結させる構造となる。