発表内容の骨子

発表の核は、G4H08MT23GB4ファミリーと呼ばれる2300Vのフルブリッジモジュールで、SiCPAK形状においてオン抵抗8mオームという低い水準を実現したと説明されている。第4世代のGeneSiC TAP(トレンチ支援プレーナ)構造を採用し、既存の2300Vおよび3300Vの超高耐圧SiCポートフォリオを拡張する位置づけとされる。サンプルは即日提供が始まり、標準品、熱界面材を事前塗布した品種、高電流版などの派生が用意されている。パッケージ面では窒化アルミの能動金属接合基板で5kV超の絶縁を確保し、シリコーンゲルの10倍の熱伝導率とされるエポキシ樹脂封止や、1ピンあたり2倍の通電能力を持つプレスフィットピンを採用したと説明されている。

想定用途として、ソリッドステート変圧器、系統用蓄電、太陽光インバータ、EVのメガワット充電に加え、AIデータセンターが挙げられている。とりわけAIラックでは、中圧から高圧直流レールへ給電するソリッドステート変圧器の中核部品として位置づけられており、信頼性面では社内基準のAEC-Plusで評価する方針が示されている。これはAEC-Q101やJEDECの要件を上回る内容とされ、動的逆バイアスや動的ゲートスイッチング試験、静的高温試験の期間延長などを含むとされる。単体チップの性能だけでなく、モジュール全体の信頼性と実装技術で差別化を図る設計思想がうかがえるとみられる。