EUがAWSとAzureを名指し、クラウド帝国に風穴。今度こそビッグテック規制の核心へ
欧州委員会は6月25日、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)とマイクロソフトのアジュール(Azure)について、デジタル市場法(DMA)の「ゲートキーパー」として指定すべきとの暫定見解を公表した。クラウドインフラそのものがDMAの規制対象に組み込まれるのは初めてとなる見通しで、世界のクラウド勢力図を揺らす可能性のある一手となる。
何が起こったのか
欧州委員会は7カ月に及ぶ市場調査を経て、AWSとAzureがEU域内の事業者と顧客をつなぐ重要なゲートウェイにあたると認定した。注目すべきは、両サービスがDMAの数値基準(年間EU売上75億ユーロ、時価総額750億ユーロ、EU月間アクティブユーザー4500万人など)を必ずしも満たしていないにもかかわらず、定性的な評価で指定対象とされた点となる。
委員会が決め手として挙げたのは5つの要素となる。1つめは両社の売上規模と、競合を大きく上回る投資・運営能力。2つめは膨大かつ固定化された顧客基盤。3つめはロックイン効果と高いスイッチングコスト。4つめはAIツールとパートナーシップのポートフォリオがクラウド調達の決定要因となっている点。5つめはAI需要の拡大分も両社のエコシステム内に留まっている構造となる。
指定が確定すれば、両社は自社優遇の制限、相互運用性の確保、データポータビリティの保証といった義務を負うことになる。違反時の制裁金は世界売上高の最大10%、繰り返し違反では20%まで引き上げられる。最終決定は2026年内に下される見通しで、両社はそれまでに反論の機会を与えられる。
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