発表内容の骨子

今回通過したのは、EAL5にALC_DVS.2とAVA_VAN.5を加えた水準の評価で、QS7001 V1チップに対する物理的・機能的なセキュリティ試験が対象となった。試験範囲には、物理攻撃やサイドチャネル攻撃、フォールトインジェクションへの耐性、セキュリティ機能の動作確認が含まれ、SERMAの侵入テストが合格判定で完了したとされる。会社側は、2026年3月にフォールトインジェクションとサイドチャネル試験を完了し、同年5月にはNIST SP 800-90Bのエントロピー源検証(証明書番号E333)を取得済みと説明している。評価の積み上げが段階的に進んできた経緯がうかがえる。

QS7001は、ハードウェアのルートオブトラストに、NISTの耐量子アルゴリズムであるML-KEM(FIPS 203)とML-DSA(FIPS 204)、従来型暗号を組み合わせた構成とされる。同一プラットフォーム上のVaultIC409とQVault TPMも同じハードウェア認証水準の恩恵を受けるとされ、いずれも2026年11月10日から13日にミュンヘンで開かれるelectronica 2026で展示される見通しとされる。評価通過は認証取得そのものではなく、開発・製造拠点の監査などの工程が残っている点には留意が必要とみられる。それでも、外部の試験機関による合格判定は、製品の安全性を対外的に裏づける一歩として、顧客との交渉で意味を持つ材料になると考えられる。