まず何が起きたのか

10月6日の週に、量子界隈でいくつかの発表が重なった。中心になったのが、Infleqtionという会社とハネウェルの航空宇宙部門、それにカリフォルニア大学サンタバーバラ校が組んで、量子センサーを手のひらサイズまで小さくする光キャビティという部品を作ったという話になる。同じ週に、Xanaduという光方式の量子企業が、半導体大手のGlobalFoundriesと組んで量子部品を量産する提携を発表している。これを受けてXanaduの株価は17%ほど急騰したと伝えられている。ほかにもD-Waveが大学と組んでサプライチェーン分野の研究を始めたり、SEALSQが宇宙関連企業に出資したりと、話題は幅広い。

ただ、これらを1つずつ見ると個別のニュースだけれど、まとめて眺めると共通点が浮かぶ。どれも量子計算の本体ではなく、その周りを支える部品、センサー、製造、ソフトといった実装のレイヤーで起きている動きになる。量子という産業が、研究室の実験から、工場で量産して現場に運ぶ段階へ移りつつある兆しとして読めそうだ、というのが今回の切り口になる。

1社目 Infleqtion、量子センサーという別の鉱脈

まず1社目がInfleqtionになる。ティッカーはINFQで、ニューヨーク証券取引所に上場している。この会社は中性原子という方式を使っていて、量子コンピューターも作っているけれど、むしろ量子センサーのほうに強みを持っているとされる。今回のニュースは、レーザーを安定させるための光キャビティという部品を、シリコン窒化膜のチップの上に小さく作ったというものになる。製造はハネウェルの航空宇宙部門のフォトニクス工場が担ったとされる。