学術的な知見が前提とするもの

経営者交代と株価の関係を扱う研究は、いくつかの条件を前提としているとみられる。

まず、交代が取締役会の判断として行われるという前提がある。業績が振るわなければ取締役会が経営者を交代させ、後任が方針を転換するという因果が想定される。研究では、景気後退の局面ほど企業固有の株価収益率が交代の確率を左右すると報告されており、取締役会が株価を経営者の能力を測る材料として用いる構図が示されている。

次に、後任の確保が可能であるという前提がある。交代が価値を生むのは、前任より適した人物が就任する場合に限られる。研究では、外部から後任を招いた場合とそうでない場合で市場の反応が異なることも指摘されている。後任の質が結果を規定する要素になる。