発表内容の骨子

今回の実証は、ヒューマノイドロボットと外部のエッジAIサーバーとの間で、60GHz帯ミリ波を用いた双方向の高速通信を機能検証したものとされる。開示された伝送レートは、ロボットからサーバーへのアップリンクが約500Mbps、サーバーからロボットへのダウンリンクが約100Mbpsで、同社は過去に狭域での合計50Gbps級の伝送も示したとしている。アップリンクがダウンリンクを大きく上回る非対称の構成となっている点は、ロボット側が大量の観測データを吸い上げられる一方、制御指示そのものは相対的に軽いという用途特性を反映しているとみられる。

構成面では、時間制約の厳しい反射的な制御をロボット近傍のNVIDIA製GPUが担い、より複雑なモデルの推論を遠隔のGPUクラスターが引き受けるハイブリッドの役割分担が示された。複数台のロボットが同一空間で稼働する状況を念頭に、ビームフォーミングによって相互干渉を抑える狙いも説明されている。適用先としては、ヒューマノイドに加え、自律移動ロボット、産業オートメーション、倉庫物流が挙げられた。他方、具体的な顧客名や提携先、量産・商用化の時期は示されておらず、現時点では技術実証の段階にとどまると考えられる。この点が、受注や認証を伴う事象と比べて確度の評価を難しくする要因となる可能性がある。