ゲストとして閲覧中
ログイン不要で記事を閲覧いただけます。
会員登録でお気に入り・後で読む・閲覧履歴が使えます。
コンテンツ
速報📈決算📊銘柄分析🎯テーマ・業界🌐市況・マクロ🏛政策・規制📝コラム📚特集
テクノロジー
🤖AI無料💾半導体無料⚛️量子無料🚀宇宙無料🔋エネルギー無料🦾ロボティクス無料🧬バイオ無料🧪材料無料🚗自動運転無料
記事を探す
お気に入り検索📖アーカイブ
その他
設定お問い合わせnasnavi速報とは
ホーム

クラリティー法、成立確率82%→32%へ急落 ― 予測市場が織り込む"米国仮想通貨立法の時間切れ"、8月7日夏季休会が最後の関門に

米国の仮想通貨市場構造規制法であるクラリティー法(CLARITY Act)の2026年内成立確率が、予測市場プラットフォームのポリマーケット上で過去最低の32%まで低下した。コインデスクが7月18日に報じた。2026年2月に記録した最高値82%から約50ポイントの急落となる。上院での倫理条項をめぐる与野党対立と、8月7日の夏季休会という物理的な締切が同時に迫っており、市場は法案の年内成立に対して急速に悲観傾向を強めている。同日には元下院金融サービス委員会委員長のパトリック・マクヘンリー氏がフォーチュン誌に寄稿し、同法を1996年電気通信法以来最も重要な技術分野の立法と位置付けたが、政治的膠着との落差が際立つ状況となっている。
クラリティー法、成立確率82%→32%へ急落 ― 予測市場が織り込む"米国仮想通貨立法の時間切れ"、8月7日夏季休会が最後の関門に

予測市場が織り込む急落曲線

ポリマーケットは仮想通貨で賭けを行う分散型予測市場で、政治イベントや規制動向の確率評価において機関投資家からも参照される存在となっている。同市場でのクラリティー法成立確率は、2026年2月に82%のピークを付けた後、緩やかな下落を続けてきた。5月初旬以降に上院の審議日程が縮小するとともに下押し圧力が強まり、7月4日の非公式署名目標を過ぎたことで悲観が本格化した。

7月上旬には40〜50%の水準にあった確率が、7月18日時点で32%まで低下したのは、7月13日の会期再開後も倫理条項に関する合意が形成されず、8月7日休会までの実質審議期間が3〜4週間に圧縮された事実を市場が織り込んだ結果とみられる。予測市場の性格上、確率は投機的資金の売買で形成されるため、法案賛成派・反対派双方の内部情報が反映されやすい構造にある。

倫理条項をめぐる対立の中身

成立確率を押し下げている最大の主因は、倫理条項をめぐる与野党の溝である。同条項は大統領・副大統領・議会議員ら政府高官が在職中に仮想通貨関連ビジネスから利益を得ることを制限する内容となる。

争点を先鋭化させたのは、7月1日に米政府倫理局が公表したトランプ大統領の2025年財務開示である。同開示によれば、大統領は在任1年目に仮想通貨関連で約14億ドルの収入を得ており、内訳はトランプ関連ミームコインのライセンス収入約6億3500万ドル、World Liberty Financialトークン販売収入5億ドル超、その他持分・ステーブルコイン関連収入とされる。米大統領史上最大規模の個人仮想通貨収入開示となった。

民主党上院議員のクリス・バン・ホーレン氏、クリス・マーフィー氏、ジェフ・マークリー氏の3氏は、倫理問題が解決されない限りクラリティー法への反対を表明した。バン・ホーレン氏が銀行委員会段階で提出した倫理修正案は11対13で否決された経緯を持ち、ホワイトハウスは大統領の個人資産を対象とする条項に反対しているとされる。

さらに委員会段階で賛成票を投じたルーベン・ギャレゴ氏、アンジェラ・アルソブルックス氏の両民主党議員も、本会議での賛成には倫理条項の解決を条件としている。仮想通貨に友好的な民主党上院議員として知られるカーステン・ジリブランド氏も、政府高官の仮想通貨保有を規制する条項の明文化が本会議での賛成の前提条件だと公に表明している。

共和党側の議席数の壁

法案可決には60票が必要で、共和党53議席では民主党票の取り込みが不可欠となる。しかし共和党側も算段は厳しい状況にある。今月死去したリンジー・グラム上院議員の欠席に加え、ミッチ・マコーネル上院議員の欠席も続いており、共和党は一票も失えない状態に置かれている。

トランプ大統領は日本時間7月16日に共和党のシンシア・ルミス上院議員、バーニー・モレノ上院議員と倫理条項について会談したが、17日時点で公式な合意の発表はなかった。ルミス氏は上院銀行委員会デジタル資産小委員会委員長を務める仮想通貨政策の中心人物で、モレノ氏も業界寄りの立場を取ってきた議員となる。両者との会談が合意発表に至らなかった事実は、共和党内部でも倫理条項の落としどころが定まっていない構造を示している。

7月9日にはホワイトハウスがジョン・スーン院内総務、チャック・シューマー院内総務宛に書簡を送り、SECおよびCFTCの少数党側委員ポストに民主党が名前を提出していないと指摘している。委員ポスト人事も倫理条項と絡めた交渉材料になる構造にある。

物理的な締切としての8月7日

上院は7月13日に会期を再開したが、8月7日の夏季休会まで約4週間の審議期間しか残されていない。この物理的なタイムリミットが、成立確率低下の第2の主因となっている。

仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタルの調査部門責任者、アレックス・ソーン氏は、上院がクラリティー法と並行して国防権限法(NDAA)の審議も開始するとみられると指摘した。国防権限法は毎年秋までに可決される慣例があり、審議時間の奪い合いが発生する構造にある。同氏は、今後4週間が今期議会においてクラリティー法を成立させる最後の機会となる可能性が高いと述べた。

Stifelのワシントン政策戦略責任者ブライアン・ガードナー氏も、法案は7月末までに上院を通過する必要があり、8月の休会窓を逃せば見通しは物質的に悪化するとの見解を示している。秋の議会カレンダーは国防権限法と歳出予算をめぐる争いが支配的となり、中間選挙運動が始まると超党派の合意形成が構造的に困難になる。

マクヘンリー氏寄稿との落差

予測市場の悲観と対照的に、業界側からの意義訴えは続いている。パトリック・マクヘンリー元下院議員は7月16日のフォーチュン誌への寄稿で、クラリティー法を1996年電気通信法以来最も重要な技術分野の立法と評した。同氏は下院金融サービス委員会委員長として2023年のFIT21法可決を主導した人物である。

寄稿では、クラリティー法の性格が過去の金融改革と根本的に異なると論じた。2008年金融危機後に成立したドッド・フランク法など一連の改革は"危機への事後対応"にとどまったのに対し、クラリティー法は"危機に先行した包括的な金融政策"として、約30年前のグラム・リーチ・ブライリー法以来初の取り組みだと位置付けた。

1996年電気通信法との類推が寄稿の核心となる。インターネットの商業利用が本格化する直前に成立した同法は、プロバイダーの責任免除条項(通信品位法第230条)を含み、IT企業の急成長と米国の技術覇権の基盤を形成した経緯を持つ。マクヘンリー氏は、明確な規制の枠組みが存在することで起業家が安心して事業を構築できると述べ、仮想通貨においても適切な枠組みが同様の役割を担うとの立場を示した。

同氏は、安定通貨を規制するジーニアス法(GENIUS Act)が上下両院で超党派の支持を得て可決済みであることも挙げ、クラリティー法でも幅広い超党派支持が形成されていると指摘した。他国が積極的に規制整備を進める中、クラリティー法の成立が米国を世界の資本市場の中心に据える最善の手段だと評価している。

倫理条項以外にも残る争点

倫理条項が最大の障壁とされる一方、クラリティー法には他にも解決していない争点が複数残されている。

第604条は非カストディ型ソフトウェア開発者を送金業者登録・銀行秘密法の義務から除外する条項で、Blockchain Regulatory Certainty Act(BRCA)を組み込んだ内容となる。DeFi規制コミュニティが最も実務的に重要と位置付けている項目だが、全米地方検事協会は上院指導部に書簡を送り、第604条が仮想通貨に関わる刑事捜査を実質的に阻害するとして反対を表明している。オレゴン州選出のロン・ワイデン上院議員は7月8日、上院指導部宛の書簡で第604条を含むBRCA条項への支持を表明している。

ステーブルコイン利回りに関する条項も論点である。米国銀行協会は現行のクラリティー法案が、ジーニアス法の禁止規定の外側で仮想通貨プラットフォームに利回り相当のサービス提供を許す抜け穴を作り出すと主張している。Coinbaseは年間約13億5000万ドルのUSDC報酬収入を得ており、この条項をめぐりCEOのブライアン・アームストロング氏は2026年前半のマークアップ手続きを2度延期させた経緯があるが、最終的には法案支持を公表している。

連邦法優先(federal preemption)、SECおよびCFTCの少数党委員ポスト人事も未解決の争点として残る。

議会内での代替シナリオ

7月8日には米商品先物取引委員会(CFTC)委員長がクラリティー法可決について"非常に近い、絶対に必要だ"と発言している。連邦レベルの仮想通貨資産基準の必要性を強調するもので、行政サイドからの圧力となる。

一方、7月18日にはウォーレン議員がトランプ大統領に対し仮想通貨収益の最新開示を要求する動きも報じられており、倫理条項をめぐる政治的対立は今後さらに先鋭化する可能性がある。倫理条項を落とした形での可決を強行すれば、民主党側の造反リスクが顕在化し、法案そのものが上院で60票を確保できない状況が現実化する。逆に倫理条項を強化して可決を目指せば、ホワイトハウスとの対立が深まり、大統領の署名段階でのリスクが浮上する。

背景にある行政措置の限界

クラリティー法が成立するかどうかは、単なる仮想通貨業界の問題を超えた意味を持つ。SECとCFTCが2026年3月17日に発表した5カテゴリー分類による16デジタル資産の合同解釈ガイダンスは、行政措置として整備されたものであり、次期政権によって一夜で撤回可能な性格を持つ。制定法だけが政権交代を跨いで存続する。クラリティー法が提供しようとしているのは、この行政措置レベルではない立法レベルの制度的安定性となる。

欧州連合のMiCA(Markets in Crypto-Assets)規制は既に加盟27カ国で完全施行されており、米国以外の主要経済圏では仮想通貨の規制枠組みが整備される流れが定着している。米国が同水準の制度基盤を確立できるかどうかは、グローバルな仮想通貨業界の重心がどこに移動するかを左右する構造的な問題となっている。

業界サイドの視線

仮想通貨業界の企業各社は、クラリティー法の成立を前提とした事業計画を組んできた経緯を持つ。Coinbase、Kraken、Circle(USDC発行元)、Ripple Labsといった主要事業者にとって、法案が2026年内に成立しない場合、2027年以降の議会構成(中間選挙結果次第)によっては成立の可能性そのものが後退するリスクがある。

7月18日には関連ニュースとして、セキュリタイズとキャンター・フィッツジェラルドが企業IPOにトークン化技術を活用する提携を発表しており、米国内での資本市場のトークン化が進行する現実に対し、規制の遅れが業界全体の速度を制約する構造が浮かび上がっている。

‹ 前の記事
SEALSQがインドL5 Cartronicsと提携、IoT向けセキュアモジュール共同開発 PQC小型株の商用展開加速なるか
YouTube CHANNEL
動画でも解説中。最新動画はこちら
チャンネルを見る ›
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘や金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
★ Googleで nasnavi速報 を優先表示

Google で優先表示すると、最新の投資情報を最短でお届けできます

この記事をお気に入りに保存しておくと、
後で読み返しやすくなります
コメント
0件
N
まだコメントはありません。