パッシブ資金は小型株には来ない、その構造を説明する
パッシブ資金が小型株に流れ込まないという主張は、正確には成り立たない。前稿で扱ったとおり、ラッセル指数の入れ替えでは指数連動の資金が対象銘柄に一斉に流入し、2025年6月の実施日には終値時点で2172億ドルが売買された。小型株に連動する上場投資信託は存在し、超小型株を対象とする商品も運用されている。他方、この主張が捉えようとしている現象そのものは実在するとみられる。全市場に連動する指数商品において小型株が占める比重は9%から11%程度とされ、資産配分の段階で流入額の大半は大型株へ向かう。指数の内部でも時価総額による加重が働くため、資金は上位の銘柄へ偏る。そして指数の下限を下回る企業には、この経路そのものが及ばない。本稿では、パッシブ資金が小型株に到達する経路と、その途中でどこが細くなるのかを構造として整理する。特定銘柄の売買を論じるものではなく、需給構造の解読を主眼とする。
資産配分の段階で決まる比率
パッシブ資金がどこへ向かうかは、投資家が指数商品を選んだ時点で大部分が決まるとみられる。
全市場を対象とする指数商品を購入した場合、その資金は指数の構成に従って配分される。この構成において小型株が占める比重は9%から11%程度とされる。つまり、全市場型の商品に1万ドルを投じた場合、小型株へ向かうのは1000ドル前後にとどまり、残りは大型株と中型株へ配分される。この比率は運用者の判断ではなく、市場全体の時価総額の分布を反映した結果になる。
比重そのものも縮小してきた。Russell 2000がRussell 3000の時価総額に占める割合は約4.5%とされ、長期平均の7.6%を下回る水準にある。大型株の時価総額が拡大するほど、全市場に占める小型株の比重は機械的に低下する。前稿で扱ったように、Russell 3000の時価総額合計は1年で29%増加して75兆6000億ドルに達した。この増加の大部分が上位の企業によるものであれば、小型株の比重はさらに薄まることになる。
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