何があったのか

2026年の米国株式市場で、ラッセル2000は年初来でおよそ20%上昇し、2003年以来の強さで推移している。同じ期間のS&P500は11%高、大型テック株の一群は4%高にとどまり、小型株が指数レベルで明確に優位となる局面が続いている。年初来の上昇率は時期によって21%を超え、上半期としては1991年以来という記録も併せて意識されている。

この上昇は、AI関連の設備投資が大型テック株から中小型のサプライヤー層へ広がったことを起点にしているとされる。データセンターの電力、冷却、光通信部品、試験装置といった領域に位置する中小型企業へ資金が向かい、これまで割安に放置されてきた小型株全体が見直される流れが生じている。指数の上昇そのものは、市場の物色対象が広がった証左として受け止められている。

ただし、注目すべきは上昇の中身にある。調査会社の集計によれば、ラッセル2000の構成銘柄のうち直近利益が赤字の企業群は2025年半ば以降でおよそ154%上昇し、黒字企業群の34%を大きく上回っている。利益を出している企業より、出していない企業のほうが買われるという、教科書的な評価の順序が反転した状態が1年以上続いている。指数の力強さの相当部分が、この赤字企業群の急騰によって支えられている構図が浮かぶ。