何があったのか

米国市場では、同一の創業者が複数回にわたって上場企業を生み出す事例が積み上がってきたとされる。象徴的なのは、初回の事業で得た評価と資金を持ち込んで立ち上げた後続企業が、上場直後に高い評価を受けたのち、数年で1ドル前後まで下落していく軌跡であるとみられる。電動商用車の分野では、車両開発企業の経営を経験した創業者が別の車両企業を設立し、その後続企業が特別買収目的会社との合併を経て上場したのち、再編を経て取引所の主要市場から外れた例が観察されている。水素商用車の領域でも、創業者が過去に別の車両関連事業を手がけた経緯を持つ後続企業が、上場後の高評価を経て2025年に連邦破産法第11章の適用申請へ至った経緯が確認されているとされる。

欧州発の商用電動車企業においても、通信分野で大規模事業を築いた創業者が2社目として立ち上げた企業が、上場後の時価総額を最終的に1000万ドル程度まで縮めたとされる経緯が残っているようである。

他方で逆方向の軌跡も同数程度に存在するとみられる。決済分野の共同創業者が2社目で成果が限定的に終わり、3社目の消費者金融技術企業で初回を上回る規模に到達した例、人事管理ソフトウェアの創業者が2社目でクラウド型の同種事業を立ち上げて業界標準の地位を築いた例などが挙げられるとされる。共通しているのは、後続事業の初期評価が創業者の履歴そのものによって形成され、実績の裏付けが後追いになる構造といえそうである。