労働省指針改訂の遅延が生んだ空白地帯:プランスポンサーが直面する受託者責任の重さと訴訟リスクの再拡大
何が起きているのか
2026年3月11日、DOLは連邦地裁に対しBiden政権時代のRetirement Security Ruleを完全に無効化する共同申立てを、当該規則に対する原告と共同で提出した。同月13日に裁判所は無効化を確定させた。この規則は2024年4月に最終化されたもので、ロールオーバー勧告や年金購入といった一回限りの投資推奨にもERISA受託者義務を拡張する内容だった。2024年7月に第5巡回区の連邦地裁が発効を差し止め、DOLは新政権発足後の2025年1月にAbeyance(手続き停止)を申請、11月に防御を放棄、そして2026年3月に完全撤回に至った。
一方で3月31日、DOLはFiduciary Duties in Selecting Designated Investment Alternativesと題する新規則案(Proposed Rule)を官報に公示した。これは2025年8月7日のTrump大統領令14330Democratizing Access to Alternative Assets for 401(k) Investorsを受けた措置で、当初大統領令は2026年2月3日までに規則発出を求めていたが、実際には約2ヶ月遅れて公示された。パブリックコメント期間は6月1日まで、最終化は2026年末を目標とされているが、規則自体には適用開始日が設定されていない。
つまり2026年半ばの時点で、旧規則は無効化されて存在せず、新規則案は施行前で依拠できず、プランスポンサーは1975年制定の伝統的なERISA第404条プルーデント・パーソン基準のみを頼りに判断を下す状態にある。
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