1. 何があったのか

ホワイトハウスは2026年6月2日、大統領令Promoting Advanced Artificial Intelligence Innovation and Security(EO)を公布した。Sec.2(米国システムの先端AI対応強化)、Sec.3(セキュアなフロンティアモデル展開)、Sec.4(犯罪行為からの保護)の3本柱で構成され、サイバーセキュリティと国家安全保障に焦点を絞った内容である。Sec.3の中核は、財務省・国防総省(NSA経由)・国土安全保障省(CISA経由)が、国家サイバーディレクター(NCD)、大統領科学技術補佐官(APST)、NIST(国立標準技術研究所)と協議して、60日以内(2026年7月31日まで)に機密ベンチマーキング・プロセスを構築することにある。指定権限はNSA長官が他関係機関と協議の上で持つ。指定された開発者は、信頼パートナーへの公開前最長30日間、政府が早期アクセスする自主的フレームワークに参加できる。同令は明示的に強制ライセンスや事前承認制度を否定しており、参加はあくまで任意である。6月5日には別途、国家安全保障エンタープライズにおけるAIに関するNSPMが発出され、国防・情報機関でのAI調達枠組みが整備された。

2. なぜ今までできなかったのか